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神経線維腫症 (von Recklinghausen病)

神経線維腫症(NF)は神経と皮膚を中心とした多くの器官にさまざまな異常を生じる常染色体優性遺伝の疾患です。

今回はこのNF(おもにNF1)についてご紹介します。

目次

遺伝形式

常染色体優性遺伝の疾患です。患者さんの約50%は両親のどちらか、あるいは両親ともにNFです。

しかし、残りの50%は両親ともにNFではない新生突然変異です。

以下は神経線維腫症1型(NF1)について解説します。

知能

多くのNF1の患者さんの知能は正常です。

しかし、50~75%に学習障害が認められます。

視覚空間認知障害、注意集中障害がもっとも高頻度がみられます。

眼病変

虹彩小結節(Lisch結節)、視神経膠腫などの眼病変が出現します。眼科フォローは必要です。

脳病変

unidentified bright objects(UBOs)という、NF1の60%に脳MRIでみられる病変があります。

視神経経路、基底核、脳幹、小脳、大脳皮質、および皮質下白質にみられ、通常、選挙制の神経学的症状は引き起こさないとされています。

3歳ごろから出現し、その後出現と消退を繰り返しますが、成人になると減少します。

UBOsの臨床的意義は今のところ不明です。摘出はしません。

練習問題

神経線維腫症1型について正しいものを選べ。

a. 伴性優性遺伝である。
b. 知的障害を高率に合併する。
c. 定期的に眼科受診を必要とする。
d. 聴神経腫瘍を合併する。
e. 頭蓋内病変はすべて摘出する。

答え:c

聴神経鞘腫を発症するのは神経線維腫症2型ですね。

参考文献

  1. 今村淳. 神経線維腫症(von Recklinghausen病). 小児内科. 2016, 48, suppl, 277-281
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